ホームインスペクション(住宅診断)とは、住宅に精通したホームインスペクター(住宅診断士)が、第三者的な立場から、また専門家の見地から、住宅の劣化状況、欠陥の有無、改修すべき箇所やその時期、おおよその費用などを見きわめ、アドバイスを行なう専門業務のことを言います。これは、家は日々人々が生活する極めて大事な空間ですが、その空間の状態が今どうなっているのか、例えば外壁の状態がどうなっているのか、もし外壁の状態がおかしければ、いつ頃劣化の状態が顕在化するのか、そうならないためにはどうしたらいいのかということなど専門的な立場で様々な提案をするのがホームインスペクターの仕事で、これは非常に重要な仕事ということが言えます。

つまり、家のことは一般人にはよくわからないですよね。例えばどういう素材で建築をするのかとか、そういうことは専門的にな知識や経験がないと家の診断をすることは出来ません。そのため既存住宅状況調査技術者には、それに対応した講習を受講して、専門性を身につける必要があります。つまり、平成30年4月から既存住宅の売買においては、重要事項説明書において「既存住宅状況調査」の説明が法律で義務付けられていて、「既存住宅状況調査」の実施については、登録機関の講習を終了した建築士のみに認められているため、既存住宅状況調査者の講習は大きな位置を占めていると言っても過言ではありません。

講習の主催団体

これらの講習を主催できる団体は限定されていて、次のとおりになります。
・一般社団法人住宅瑕疵担保責任保険協会
・公益社団法人日本建築士会連合会
・一般社団法人全日本ハウスインスペクター協会
・一般社団法人日本木造住宅産業協会
・一般社団法人日本建築士事務所協会連合会

講習の内容

次に既存住宅状況調査技術者講習の具体的な内容についてご説明します。受講対象は、一級、二級、木造建築士となります。講習のタイムスケジュールは、受付開始 9:00~ 講義+修了考査 9:30~17:30です。具体的な講義内容は次のとおりとなります。

講義① 既存住宅状況調査の概要等
・不動産流通市場の現状と国の取り組み状況
・既存住宅状況調査技術者の役割
・既存住宅状況調査の概要
・公正な業務実施のための遵守事項
・情報の開示
・既存住宅状況調査の手順
・既存住宅売買時における調査結果の活用

講義②既存住宅状況調査の技術的基準等
・既存住宅状況調査方法基準とその詳細
・既存住宅状況調査に付随する非破壊検査その他の調査
・調査報告書の記入
・住宅瑕疵の事例
・検査機器

となります。なお、受講料は平成30年の講習の場合は、新規講習が21,060円、移行講習は16,740円となり、この費用の中にテキストといった教材や講習のフィーが含まれます。なお講義の時間も新規講習と移行講習は違ってきます。

既存住宅状況調査技術者受講のメリット

次にこの講習を受講するメリットについてお話をします。この講習の受講メリットは、建築士だけに認められた業務である「既存住宅状況調査」の技術を幅広く習得出来るということです。具体的には、国土交通省告示「既存住宅状況調査方法基準」に基づく調査方法や、関係法令、調査報告書の記載方法などの幅広い知識を身につけることが出来ます。その結果建築士として仕事の幅を広げることが出来ますので、専門性を更に高めること出来ます。また、この講習を受講しますと、本講習修了者は、建築士法に基づく公益社団法人である日本建築士会連合会のホームページで公表されます。そのためこれから家を購入や建築を検討している一般消費者へ高い信頼性をアピールできます。あとは、講習修了者には、官公庁の設計・工事入札に活用できる建築士会CPD単位を付与されるので、結果的に営業できる範囲が広がることになります。