中古住宅が活性化しない理由

一戸建て住宅にしても、マンションにしても中古住宅を購入するリスクと言うものが、住宅診断の義務化が法令化する以前はありました。つまり、家を購入したけれども、シャワーがでないというようなことだけではなく、せっかく一戸建ての家を購入したけれども、雨漏りがして困ると言うようなことです。物件の内見などは、雨の日などにはいかないことが多いですし、そこまで家がおかしくなっているというようなことは、内見の時にはわかりません。

通常新築の物件を購入した場合には、アフターサービス基準と言って、家を購入した場合の保証があり、もし、期間を定めてということにはなりますが、その間に家の不具合などがあった場合には無償で治すということになっています。

ところが、中古住宅の場合は、個人間売買のであることが殆どのため、隠れた瑕疵が入居した後にわかった場合でも、家を買ったほうが仕方のない事象であるということで、泣き寝入りをせざるを得ないというのが現状でした。

住宅診断とは

そこで宅地建物取引業法一部を改正する法案が成立したのですが、この法案の中身というのが、中古住宅の建物の状況調査をしてそれを開示するというものです。宅地建物取引業法改正の目的は、欧米得比較して活性化しない中古住宅市場の流通を活性化させることです。従来中古住宅が新築住宅と比較して、なかなか活性化しづらかったのは、中古住宅は、一般の消費者にとって建物の構造など見えない部分が多く、その状態や質に対する不安が付きまとうということでした。ところが、住宅診断は、専門家によって建物の状況を調査するもので、その調査結果を不動産の取引において開示することで、買う側の不安を解消しようとするのが、その目的となります。この取引のポイントとしては、重要事項説明をする際に、住宅診断の結果を買主に説明をして、契約時には建物の現況を売買の当事者である売主と買主双方が確認をして、その内容を仲介に入っている不動産業者(宅地建物取引業者)が書面を双方に交付するというものです。

住宅診断の効果について

これらが実行するとどういうことが期待できるのかというと、一つは建物の質を踏まえた上で買主が購入する事ができるということです。また引渡し後、その家に万が一瑕疵があった場合に、その補修費用等を保証する売主向けの保険「既存住宅売買瑕疵保険」への加入も、スムーズなります。これは、「既存住宅売買瑕疵保険」の加入には住宅の検査およびその検査に合格しなければいけないからです。さらには、建物の瑕疵を巡って物件引き渡し後のトラブルも防止することが出来ます。冒頭にもご案内をしたように、買ったけど家が雨漏りしたというようなことが起きると、当然家を買ったけれども雨漏りしたから、保証してくださいということに買う方はなりますが、売る側としては、契約をしたし、そういう隠れた瑕疵に対する責任は当初からないので、そういうことをする必要はないと言う立場ですから、当然トラブルになりますし、場合によっては裁判になってしまうということも過去にはありました。ところが、住宅診断に関する問題をこのように予め片付いていれば、万が一のことがあっても、双方の負担もなく、スムーズに前に進みますよね。

では、住宅診断が義務化されると、中古住宅の探し方はどのようになるのでしょうか。従来家の品質が低いのか高いのか全くわからなかった中古住宅だったために、中古住宅の流通市場が活性化しませんでした。ところが、住宅診断が義務化され、それが重要事項説明で説明され、売買契約時においても書面化されるので、買う方としては、安心して中古住宅を購入することが出るようになります。もちろん、住宅診断は費用がかかるので、その費用を価格に上乗せする場合も考えられ、やや価格の上昇があるかもしれませんが、品質的には以前とは比較にならないほどよくなりますので、結果として中古住宅市場が活性化され、誰でも買いやす状況になるといえるでしょう。